「天下の名湯」 武将も文人も愛した湯治の名所草津を歩くコース(群馬県草津町)

5 min

1.はじめにーモデルコースの概要ー

観光ぐんま写真館提供

温泉大国として知られる日本。その中でも日本一の温泉自然湧出量を誇り、「恋の病以外をすべて治す」と呼ばれる効能も相まって、草津温泉は圧倒的な知名度を誇る温泉地です。

この記事では群馬県北西の山間部、長野県との県境にも近いいで湯のまち、草津町のおススメスポットをモデルコース形式で紹介しています。

草津温泉のルーツは記紀神話の時代、ヤマトタケルノミコトが東征した際に発見したとも、大仏建立の勧進のために全国を行脚した僧行基が発見したとも、源頼朝が巻狩りの際に発見したともいわれ、判然としていません。

しかし、時代が下った室町時代には数多くの人々が入湯した記録が残っており、文人の入湯の記録には草津の湯を絶賛するものが多く見られます。

近年においても草津温泉の人気は健在で、昨年令和5(2023)年には旅のプロが選ぶ温泉ランキング『にっぽんの温泉100選』で20年連続1位という偉業を達成するなど、人気の衰えは見られません。

しかし、こうした結果は地元草津の人々の絶え間ない努力の結果であり、草津温泉の女将の会「湯の華会」や観光関係者による「草津温泉ブラッシュアップ計画」、そして行政がそれぞれに協調しながら魅力を高めてきました。

結果、「草津のドレスコードは浴衣」ともいわれる情緒ある温泉街が草津には広がっており、アクセスに決して恵まれていない立地ながら多くの観光客を呼び込むことに成功しています。

日本国道最高地点・草津白根山付近
日本国道最高地点・草津白根山付近の風景 ©岩本まさき

こうした草津温泉の見どころを、この記事ではモデルコース形式でご紹介しています。実際の所要時間や滞在時間も考慮してルーティングしていますので、そのまま巡っていただくのも良いですし、車を利用して長野県側から「日本国道最高地点」などを経由してアクセスしてみたり、周辺の温泉地とセットで訪問、泉質や風情の違いを感じてみるのも楽しいのではないでしょうか。

2.モデルコース

ルート:草津温泉観光案内所→湯畑→熱之湯→西の河原通り→西の河原公園→草津温泉 西の河原露天風呂→いいやま亭→ともえや→草津温泉熱帯園
移動手段:徒歩
所要時間:6時間~

10:00 :草津温泉バスターミナル

今回のコースは草津温泉のほぼ真ん中にある草津温泉バスターミナルからスタートします。

草津温泉バスターミナルには首都圏の東京新宿や渋谷、池袋、吉祥寺のほか、さいたま県大宮や神奈川県横浜から高速バスが運行され、関東地方からは比較的容易にアクセスすることができます。

また、JRの長野原草津口駅や県境を跨いだ長野県軽井沢や上田方面から路線バスの運行がされているため、新幹線や特急列車を利用してアクセスすることも可能です。

名称草津温泉バスターミナル
住所〒377-1711
群馬県吾妻郡草津町草津28
電話番号0279-88-3582
関連するサイトhttps://www.kusatsu-onsen.ne.jp/access/bus.php

↓徒歩で1分程度

10:05 湯畑(10分程度)

湯畑
©草津温泉観光協会

草津のシンボルとして知られる巨大な温泉源泉です。毎分32,300リットル以上、1日にドラム缶約23万本分もの温泉が湧き出しており、常に湯気が舞う景色は圧巻です。
草津の旅館や温泉施設は「源泉かけ流し」で知られていますが、かけ流しができるのはこの豊富な湯量のおかげです。

また、草津温泉は火山である白根山と隣接しており、その温泉水は火山の影響を強く受けています。
泉質の高い酸性度は火山性ガスが地下水に溶け込むことが由来と考えられていますし、火山に近いことで地下水がすぐに温められて温泉となっていると考えられています。

草津温泉の豊富な湯量と、高い殺菌力を誇る泉質には火山の恵みが大きく影響しています。

名称湯畑
住所〒377-1711
群馬県吾妻郡草津町草津401
関連するサイトhttps://www.kusatsu-onsen.ne.jp/onsen/

↓徒歩1分程度

10:25 熱之湯(30~40分程度)

観光ぐんま写真館提供

湯畑から近い場所にあり、草津温泉名物「湯もみ」のショーを楽しむことができる施設です。

湯もみは濃度の高い草津温泉の源泉を薄めずに入浴するために生まれた技術で、温泉の温度と濃度が高い草津温泉ならではの技術です。
180cmの板でダイナミックに湯を冷ますショーは一日に数回だけ行われるので、事前に行われる時間を調べておき、遅れないように訪れましょう。

名称熱之湯
住所〒377-1711
群馬県吾妻郡草津町草津414
電話番号0279-88-3613
公演時間一日6回公演
午前 9:30 10:00 10:30
午後 3:30 4:00 4:30
観覧料金大人:700円
関連するサイトhttps://www.kusatsu-onsen.ne.jp/netsunoyu/

↓徒歩2分程度

11:15 西の河原通り(20分程度)

温泉たまごのイメージ

草津温泉のメインストリートといえる西の河原通り沿いには、温泉饅頭や温泉プリンなど温泉地ならではのグルメを楽しめるお店が並んでいます。

「草津温泉プリン」で色とりどりのプリンやジュレを楽しんでみたり、雑貨屋「するがや」でレトロなデザインの温泉雑貨を楽しんでみたり。

中でも筆者おススメは草津ガラス蔵1号館の軒先で販売されている温泉卵です。草津温泉で唯一温泉卵専用の温泉で茹でられた卵は半熟トロトロ!
温泉地での食べ歩きとショッピングを満喫してみましょう。

名称西の河原通り
住所〒377-1711
群馬県吾妻郡草津町草津
関連するサイトhttps://www.kusatsu-onsen.ne.jp/course/1266.php

↓徒歩5分程度

11:45 西の河原公園(15分程度)

観光ぐんま写真館提供

草津エリアの西側の河原にある公園です。公園内の至る所から温泉水が湧き出し、それらが川を作って流れていく様子は草津ならではのものといえるでしょう。

公園内には足湯が整備されており景色を眺めながらゆっくりとできるほか、夜には公園にライトアップがされ、幻想的な風景を楽しむことができます。

名称西の河原公園
住所〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町草津
関連するサイトhttps://gunma-kanko.jp/spots/642

↓徒歩2分程度

12:10 草津温泉 西の河原露天風呂(1時間程度)

草津温泉 西の河原露天風呂
©草津温泉観光協会

西の河原公園の奥には、圧倒的なスケールと解放感が自慢の露天風呂があります。

男女の風呂をあわせた500㎡の広さは日本でも有数の広さで、お風呂の中からは草津の四季折々の自然を360度見渡しながら入浴することができます。

日本でもトップクラスの効能と知名度を誇る草津温泉を、自分の身体で感じてみましょう。

名称草津温泉 西の河原露天風呂
住所〒377-1711
群馬県吾妻郡草津町草津521-3
電話番号0279-88-6167
営業時間4/1~11/30 7:00~20:00(最終入館は19:30まで)
12/1~3/31 9:00~20:00(最終入館は19:30まで)
入湯料大人:800円
関連するサイトhttps://onsen-kusatsu.com/sainokawara/

↓徒歩10分程度 

13:20 いいやま亭(50分程度)

かまめしのイメージ

草津温泉で唯一の本格釜めしを楽しむことができるお店です。自慢の釜めしは売り切れ次第終了!
観光客だけでなく地元の方にも親しまれる美味しい釜めしを楽しんでみてはいかがでしょうか。

名称いいやま亭
住所〒377-1711
群馬県吾妻郡草津町草津386-2
電話番号0279-82-1155
営業時間11:00~釜めし終了次第(不定休)
関連するサイトhttp://www6.plala.or.jp/iiyamatei/iiyamatei/

↓徒歩2分程度

14:15 ともえや(20分程度)

スマートボール
スマートボールのイメージ

昭和レトロの懐かしい雰囲気の店内で、スマートボールや射的といった温泉地ならではの娯楽を楽しむことができるお店です。

店内には休憩場所も準備されているので、駄菓子などを食べることもできます。

名称ともえや
住所〒377-1711
群馬県吾妻郡草津町草津108
電話番号0279-82-1194
営業時間10:00-22:00(不定休)
関連するサイトhttps://asobinohiroba.kusatsuonsen-tomoeya.com/

↓徒歩10分程度

14:45 草津温泉熱帯園(1時間程度)

熱帯温室のイメージ

日本で最も標高の高い場所に位置し、園内の設備に温泉水を利用することで熱帯の気候を再現している動物園です。
園内にはジャングルが再現されており、その中には約250種1000頭の動物が飼育され、中でも飼育している爬虫類の種類が日本一多いことで知られています。

名称草津温泉熱帯園
住所〒377-1711
群馬県吾妻郡草津町草津286
電話番号0279-88-3271
営業時間8:30-17:30
入園料大人:1,100円
関連するサイトhttp://nettaiken.com/

16:00 お疲れさまでした!

3.おわりにーコースの注目ポイントー

ここまでモデルケース形式で草津温泉のおすすめスポットをご紹介しました。

歴史上多くの人々に愛され、江戸時代には庶民から藩主まで数多くの人々が湯治を楽しんできた草津、観光地となった今でもその魅力は衰えていません。

今回紹介した場所以外にも、付近にはスキー場やゴルフ場もあるため、温泉に滞在しながら高原でのスポーツを楽しんでみるのも良いかと思います。

岩本まさき

岩本まさき

1993年兵庫県西宮市生まれ。奈良大学文学部地理学科卒業後、営業職を中心に勤務。
2022年に旅行会社へ転職後は、ツアーへの添乗や旅行系のライターとして務め、個人・少人数向けツアーも多数企画しています。
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