目次
1.はじめにーモデルコースの概要ー
この記事では鳥取県鳥取市の沿岸部に広がる鳥取砂丘を中心に、周辺のおススメスポットをモデルコース形式で紹介しています。
そのままのスケジュールで周ってみるのも良いですし、鳥取市内の見どころとして鳥取城やわらべ館とセットで訪れてみたり、砂丘を訪れる前後に県中部の倉吉市周辺や、山間部の智頭町や若桜町などを訪れる旅程も良いのではないでしょうか。
今回のモデルコースは旅のスタートを鳥取駅に設定しており、駅から鳥取砂丘周辺まではバスで移動する想定としています。
駅から砂丘までは路線バスで20分ほど、10~40分間隔での運行がされているため、移動の際に大きなストレスを感じることはないと思われます。
他の移動方法としてはタクシーやマイカーが選択肢に入るほか、レンタサイクルでの移動も可能です。
駅付近のレンタサイクル場から砂丘までは片道60分ほどで到着できるので、天候に恵まれた日、時間に余裕があれば日本海の潮風を感じながら自転車を漕いでみるのも良いのではないでしょうか。
鳥取の観光名所としてまず名前が上がることが多い鳥取砂丘ですが、周辺の観光名所のほか、砂丘でできる様々なアクティビティについては知らない方も多いのではないかと思います。
砂丘を見て終わり、ではなく次に訪れる際は奥深い砂丘の魅力を楽しんでいただけるよう、ぜひこちらの記事もご参考にしてくださいね。
2.モデルコース
ルート:JR鳥取駅→鳥取砂丘砂の美術館→鳥取砂丘ビジターセンター→砂丘センター 見晴らしの丘→砂丘リフト→追後スリバチ→鳥取砂丘オアシス→馬の背→砂丘アクティビティ→砂丘会館(鳥取砂丘)バス停
交通手段:バス、徒歩
所要時間:6時間~
10:00 JR鳥取駅
今回のモデルコースはJRの鳥取駅から出発します。
鳥取駅には京都駅発で山陰地方を縦貫する「山陰本線」のほか、岡山県北部と鳥取を結ぶ「因美線」、そして兵庫県南西部から中国地方を横断する高規格路線「智頭急行線」の一部列車が乗り入れています。
特に智頭急行線に運行されている特急列車「スーパーはくと」は関西地方各都市と鳥取駅・倉吉駅を直通で結んでおり、高い利便性を誇っています。
また、中国地方の各都市とは特急列車「スーパーおき」、「スーパーまつかぜ」のほか高速バスの運行がされており、東京羽田空港から鳥取砂丘コナン空港間には定期便の運行がされています。
名称 | 鳥取駅 |
住所 | 〒680-0835 鳥取県鳥取市東品治町111 |
関連するサイト | 鳥取駅|時刻表:JRおでかけネット (jr-odekake.net) |
↓路線バスで20分移動後、徒歩で10分程度
(39鳥取砂丘線、32・33岩美岩井線、09ループ麒麟獅子バス)
10:30 鳥取砂丘砂の美術館
世界で唯一、砂で造られた造「砂像」を専門に展示している美術館です。
平成18(2006)年に屋外イベントとしてスタートし、平成24(2012)年からは屋内での展示をメインとする形態としています。
例年4月中旬から翌年の年始までを会期とし、会期ごとに世界の国や地域をテーマに様々な名所や建築物、文化を砂像によって再現、「砂で世界旅行」を楽しむことができます。
令和6(2024)年の第15期展示はオリンピックの開催地であるフランスをテーマとしており、エッフェル塔などの迫力ある砂像を目にすることができます。
名称 | 鳥取砂丘砂の美術館 |
住所 | 〒689-0105 鳥取県鳥取市福部町湯山2083-17 |
電話番号 | 0857-20-2231 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
入館料 | 一般:800円 |
関連するサイト | 鳥取砂丘 砂の美術館 – 世界初、「砂」を素材にした彫刻作品を展示する美術館 (sand-museum.jp) |
↓徒歩で10分程度
11:20 鳥取砂丘ビジターセンター
鳥取砂丘に足を踏み入れるまえにぜひ訪れたいのがこのビジターセンターです。
鳥取砂丘の前にある、鳥取砂丘の総合案内所といえる建物で、砂丘をよく知るガイドの方が常駐しています。
センター内はいくつかのコーナーに分かれており、コーナーごとに砂丘の魅力や成り立ち、砂丘に暮らす生き物などが紹介され、砂丘を歩く時間をより豊かにできる展示を楽しむことができます。
ガイドによる館内の解説もあるほか、砂丘散策ツアーの案内もされており、よりディープな砂丘体験の拠点とすることができます。
センターには砂丘散策後に足を洗うための場所があるほか、砂丘用の車椅子レンタルもされているため、砂丘を訪れる前後に立ち寄りましょう。
名称 | 鳥取砂丘ビジターセンター |
住所 | 〒689-0105 鳥取県鳥取市福部町湯山2164-971 |
電話番号 | 0857-22-0021 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
関連するサイト | 鳥取砂丘の総合案内・観光ガイド|鳥取砂丘ビジターセンター (sakyu-vc.com) |
↓徒歩で15分程度
12:00 砂丘センター見晴らしの丘
鳥取砂丘を一望できる場所にある観光センターです。
砂丘を一望できる展望台やレストラン、そしてお土産の販売もされており、こちらも砂丘観光の際に立ち寄りたいスポットです。
レストランでは鳥取の新鮮な海の幸を用いた「砂丘海鮮丼」や、鳥取のご当地ラーメン「鳥取牛骨ラーメン」、名峰大山(だいせん)山麓で育てられたブランド鶏を使用した「大山鶏カレー」といった料理を楽しむことができ、ランチ場所に最適です。
ランチを楽しみ、お土産を見たらいよいよ砂丘に出発!見晴らしの丘からはリフトに乗って砂丘へ向かうことができます!
名称 | 砂丘センター見晴らしの丘 |
住所 | 〒689-0105 鳥取県鳥取市福部町湯山2083 |
電話番号 | 0857-22-2111 |
営業時間 | 9:00~16:00 |
関連するサイト | 鳥取砂丘 砂丘センター 見晴らしの丘 (tottorisakyu.com) |
↓同施設内
13:00 砂丘リフト
見晴らしの丘から直通、砂丘の入り口までを片道4分程度で結んでいるリフトです。
駐車場から砂丘へ向かう間には僅かながら傾斜があり、階段を登る必要がありますが、リフトを利用すれば簡単に砂丘へアクセスすることができます。
さらに、リフトを降りると目の前には鳥取砂丘の大パノラマが広がるので、旅の感動を存分に味わうことができます。
名称 | 砂丘リフト |
住所 | 〒689-0105 鳥取県鳥取市福部町湯山2083 |
電話番号 | 0857-22-2111 |
営業時間 | 9:30~16:00 |
運賃 | 一般:往復400円 片道 300円 |
関連するサイト | 鳥取砂丘観光リフト | 鳥取砂丘 | 砂丘センター 見晴らしの丘 (tottorisakyu.com) |
↓リフト・徒歩で15分程度
13:15 追後スリバチ
鳥取砂丘に入ると様々な地形をみることができますが、それらの中でも追後スリバチは迫力のある地形のひとつとして知られています。
鳥取砂丘には海側から「第一砂丘列」「第二砂丘列」…と丘状の地形が続いており、中でも有名、巨大な「馬の背」は「第二砂丘列」にあたります。
この追後スリバチ付近は第三砂丘列にあたり、高低差は約20m、最大斜度は32度もあります。
名前の由来も調理器具のスリバチから取られており、谷底部分から上を見上げると圧迫感があるほどです。
周辺は観光客のメインルートからやや外れていることもあり、荒涼とした雰囲気を楽しむことができるほか、春の時期にはスリバチの斜面いっぱいに砂丘の植物である「ハマヒルガオ」が咲き誇り、美しい姿を見せてくれます。
名称 | 追後スリバチ |
関連するサイト | 鳥取砂丘追後スリバチ(とっとりさきゅうおいごすりばち) | 山陰海岸ユネスコ世界ジオパークで遊ぶ|San’in Kaigan Geopark (sanin-geo.jp) |
↓徒歩で10分程度
13:35 鳥取砂丘オアシス
馬の背の丘の手前には砂丘内の水が溜まった湧水池があります。
この池は砂漠地域にある「オアシス」に見立てて鳥取砂丘オアシスと呼ばれています。
砂丘のある鳥取県の降水量は年間で2000mmを超しますが、砂丘の砂は透水性が高く、降った雨は砂を濡らしながらも地中へ浸透してしまうために砂丘が水溜りになることはありません。
例外がこのオアシス周辺の場所で、地中にある大山の火山灰層が水を通さないために、砂丘内の水が溜まっているとされています。
特に降水量が多い晩秋から春にかけて水量が増えることで知られ、平成29(2017)年に鳥取県で33年ぶりの大雪が観測された際には例年の1.5~2倍の面積に広がったオアシスを目にすることができたようです。
↓徒歩で5分程度
13:45 馬の背
砂丘に足を踏み入れると目の前に横たわっている大きな丘が「馬の背」です。
高さは47m、30度の傾斜を越えて、砂丘を訪れる人の多くが運の背の頂上を目指します。
頂上部分は風が強いことが特徴で、海からの強風によって吹き上げられた砂が降り積もってできた砂丘の成り立ちを感じられるスポットであるほか、眼下に日本海を見下ろす雄大な景色を楽しむことができます。
さらに足元に目を転じると、強風によって巻き上げられた砂が「風紋」や「砂柱」といった様々な模様を描いていることにも気付きます。
名称 | 馬の背 |
関連するサイト | 馬の背【鳥取砂丘第2砂丘列】(うまのせ【とっとりさきゅうだい2さきゅうれつ】) | 山陰海岸ユネスコ世界ジオパークで遊ぶ|San’in Kaigan Geopark (sanin-geo.jp) |
↓徒歩で10分程度
14:10 砂丘アクティビティ
鳥取砂丘には高低差のある砂地地形を活かした数多くのアクティビティが催行されています。
海外の砂漠にいるような雰囲気を楽しめる「ラクダ乗り体験」が有名ですが、それ以外にも砂丘の砂の上を滑り降りる「サンドボード」、砂丘の自然の中で心と身体を解放する「砂丘ヨガ」、足跡一つない砂丘の上を疾走する体験ができる「砂丘セグウェイ」や「ファットバイク」、砂丘の高低差と強風を活かした「パラグライダー」、その他にも多くの体験が可能です。
所要時間は体験内容によって異なり、事前予約が必要なものも多いため、体験を希望する際は事前に様々なサイトをチェックしてから訪れるようにしましょう。
名称 | 砂丘アクティビティ |
関連するサイト | アクティビティ | 鳥取砂丘 観光ガイド Tottori Sand Dunes Travel Guide (sakyu-vc.com) |
3.おわりにー周辺の立ち寄りポイントー
ここまでモデルケース形式で鳥取砂丘とその周辺のおすすめスポットをご紹介しました。
今回は鳥取県の中でも砂丘に重点を置いた訪問内容としていますが、周辺には数多くの見どころがあります。
かつて地理学を学んでいた筆者が特にお勧めしたいのが、山陰海岸ジオパークのジオサイトの数々を訪問することです。
「ジオパーク」とは地質学的重要性のある場所や景観を保護、教育、持続可能な開発に繋げるべく管理されている地理的な領域で、日本では山陰海岸ジオパーク以外にも計36の地域がジオパークに登録されています。
山陰海岸ジオパークは京都府京丹後市から鳥取県鳥取市にかけての海岸線を中心とした広いエリアが登録されており、京都府京丹後市の「琴引浜」、兵庫県豊岡市の「玄武洞」や「神鍋山の噴火口」、新温泉町の「湯村温泉」、鳥取県岩美町の「浦富海岸」など北近畿から東因幡地域にかけての魅力的な観光名所の多くが登録されています。
鳥取砂丘もこのジオパークの一部、ジオサイトとなっているため、砂丘とともにこれら山陰海岸ジオパークのジオサイトの数々を訪れることで、日本海の成り立ちまで含めた壮大な地球規模のドラマを感じることができるはずです。