北海道神宮を参拝する(北海道札幌市)

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1.はじめにー北海道神宮の概要ー

北海道神宮鳥居
©札幌市

この記事では北海道の中心都市札幌に鎮座する神社、北海道神宮についてご紹介していきます。
境内の見どころと神社の縁起のほか、毎年6月に行われ、札幌の初夏の風物詩でもある例祭「札幌まつり」についてもお話していきます。

北海道神宮は札幌市の中心部からは南西の方向、円山公園内に位置している神社です。北海道にある神社の中でも高い格式を持つとされており、一般に「北海道一之宮」として知られています。

北海道神宮の周辺は緑豊かなエリアとなっており、境内やその周辺の円山公園ではエゾリスの姿を見かけることがあるほどです。
この一帯は交通の便にも優れているのが特徴で、特に近年では観光場所としてだけでなく生活空間としても人気が出てきています。
特に北海道神宮の「裏参道」と呼ばれる南一条通り付近では、マンションの分譲やレストランの進出も見られ、オシャレな町としても知られてきています。

2. 由来と歴史

©札幌市

北海道神宮が祀られたのは現在から150年以上前の明治2(1869)年、明治天皇が北海道開拓の守護神を祀るように指示したことをきっかけとしています。

当時の北海道は開拓がはじまったばかりの時期にあたります。
同年7月には札幌の町に北海道を開拓する官庁「開拓使」が設置されており、これから開拓が本格化していくという時期、神社は開拓民達の心のよりどころとなるよう鎮座が進められました。

鎮座当初、神社は「札幌神社」と呼ばれ、境内も現在の円山ではなく、札幌駅の東側にあったとされています。
明治4(1871)年9月に神社は現在の場所に遷ったものの、当時の円山は札幌の中心街から遠く、道も未整備であったため、参拝しにくい神社であったことが伝わっています。

北海道神宮
©札幌市

北海道神宮に祀られている神様は大國魂神(オオクニタマ)、大那牟遅神(オオナムチ)、少彦名神(スクナヒコナ)の三柱の神々で、これらの神々は「開拓三神」などとも呼ばれます。

神々のうちでオオクニタマは日本の国土そのものを表す神様とされるほか、オオナムチは「オオクニヌシ」の名前も持つ日本の国土を拓いた神様、スクナヒコナはオオナムチを助けた逸話があることから、開拓の守護神として祀られることとなりました。

これらの神々を祀る例祭として、明治5(1872)年には当時の開拓使長官である黒田清隆から6月15日を例祭日とする知らせが発表、官民共に業務を休みとして参拝が奨励されることとなり、これが現在の「札幌まつり」へと繋がっています。

神社の名前が札幌神社から現在の「北海道神宮」に改められたのは昭和39(1964)年のことで、この時に札幌神宮を祀る指示をした明治天皇も祭神の一柱に加えられています。

3.見どころ

この章では北海道神宮の見どころについていくつかご紹介します。

①本殿

北海道神宮本殿
©札幌市

北海道神宮の現在の社殿は、昭和53(1978)年に再建されたものです。
本殿に至る途中にある神門には特徴的な形状の大注連縄が掛けられていますが、これには「フラヌイ大注連縄」との名前があり、中央が太く米俵がついています。
富良野の人々が4年に一度作り変えており、現在のものは令和5(2023)年につくられたものです。

②開拓神社

北海道神宮の境内にはいくつかの摂社がありますが、その中でも個人的に特に訪れてもらいたいのがこちらの開拓神社です。

北海道の開拓に力を注いだ37柱の神々が祀られており、祭神の中には
〇北海道を測量した「伊能忠敬」
〇開拓長官や総理大臣として活躍した「黒田清隆」
〇札幌市の建設に着手、北海道神宮の鎮座にも尽力した「島義勇」
〇間宮海峡を発見した江戸時代の探検家「間宮林蔵」
〇晩成社を率い帯広を開拓した「依田勉三」
といったそうそうたる顔ぶれが並びます。

開拓者達にあやかり、何かを成し遂げたい時や人生を切り開きたい時のパワースポットとして知られ、今も多くの参拝者が訪れています。

③六花亭 神宮茶屋店

広い境内を歩き疲れたら、境内のお店で甘味を楽しむのはどうでしょうか。
六花亭 神宮茶屋店は北海道を拠点として、道内に多くのお店を持つ六花亭の店舗のひとつです。

六花亭の商品は北海道土産などとして知名度が高く、「マルセイバターサンド」や「ひとつ鍋」といったお菓子を食べたことがある方も多いのではないでしょうか。

しかし、ここ神宮茶屋店ではそれらとは異なる店舗限定のお菓子を楽しみたいところです。
その店舗限定のお菓子は「判官さま(はんがんさま)」です。
判官さまという名前は、札幌市開拓判官として活躍、北海道神宮造営にも携わった島義勇(しま よしたけ)にちなんだものです。
そば粉入りの柔らかな焼餅の中にほんのりとした塩味の粒あんが入っており、優しく素朴な味わいは神社参拝にあわせて食べるにもぴったりです。

④札幌まつり

札幌まつり

明治5(1872)年以来、150年以上の歴史を持っている札幌を代表するお祭りです。
例年6月14日~16日の3日間に渡って行われ、祭り最終日の16日には北海道神宮に祀られている神様が神輿に乗って創成川を渡った先の頓宮まで渡御、市内各地の山車と、平安衣装に身を包んだ市民たちが長い行列を作って町を練り歩く様子で知られています。

祭礼期間中には中島公園を埋め尽くす露店が出ることでも知られており、令和5(2023)年には250を超える数の出店がありました。
露店には縁日でおなじみのスーパーボールすくいといったお店のほか、今ではもう珍しくなったお化け屋敷の小屋なども見られます。

4.おわりに

春の北海道神宮
©札幌市

ここまで北海道神宮について説明しました。

明治時代以来北海道の開拓を見守ってきた神社は、札幌を観光する際には是非立ち寄ってもらいたいスポットのひとつです。

広大な境内は地元の方の散策スポットにもなっており、特に春、境内にある約1,400本の桜と約250本の梅がほぼ同時に開花する時期には多くの方々が訪れます。

私が訪れたのは秋の時期、夕暮れも近づいた頃だったのですが、境内にはカツラやヤマモミジといった広葉樹も多く、赤や黄色に紅葉した森の中、一面に敷き詰められた鮮やかな落ち葉を踏みしめて神社を参拝する体験ができたことを覚えています。

札幌市には北海道神宮以外にも数多くの見どころがあります。
当ブログでは「開拓」をテーマにこういったモデルコースも作成していますので、あわせて見てみてくださいね。

名称北海道神宮
住所〒064-8505
北海道札幌市中央区宮ケ丘474
電話番号011-611-0261
参拝時間9:00~17:00
参拝の所要時間30分以内
主なアクセス方法札幌市営地下鉄東西線「円山公園駅」より徒歩
参拝料無料
関連するサイトhttp://www.hokkaidojingu.or.jp/
岩本まさき

岩本まさき

1993年兵庫県西宮市生まれ。奈良大学文学部地理学科卒業後、営業職を中心に勤務。
2022年に旅行会社へ転職後は、ツアーへの添乗や旅行系のライターとして務め、個人・少人数向けツアーも多数企画しています。
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